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Zwei Eier im Glas

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贅を尽くしたものは、お金さえあればいくらでも手に入るご時世、ましてや上を見ればきりがない。街のウィンドーにはどこもかしこもセールの文字が踊っているこの時期だが、今年もこれらに縁はなく時間がゆっくり過ぎていく。

カフェのドアを一つ隔てれば、そこは物欲の喧騒から離れた開放的な空気が支配する空間だ。そしてほっと息をつく。本当に欲しいものは何、と自分に問いかけながら。

給料日前日でも給料日でも安心して、そして心豊かに注文できるお気に入りがこれ。半熟卵がグラスに2つ、文字通りの「Zwei Eier im Glas」。多くのカフェで朝食メニューの一つとして定番になっているものだ。

まず第一に食べやすい。殻は取れているし、いい具合に半熟なので、グラスの中でつぶして食べてもよし、スプーンでパンに乗せて食べてもよし。パンがついて、たいてい2.5ユーロから3ユーロくらい(約400円)。とても質素な食べ物だが、卵の単価を考えるとグラスに入れて運んでもらうだけで大層な値段ともいえる。しかし、なにより透明のグラスに入った二つの白い丸はなぜか滑稽でかわいく、いつも笑みを誘うのだ。

贅沢の基準は金額にあるのではなく、どれほど自分の心が豊かに感じられるかだと思う。
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by sommergarten | 2007-01-23 07:50 | essen & trinken

Latte macchiato

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ドイツのラッテマッキアートの特徴は、グラスとその大きさにあり。
したがって若干ぬるめ。そうでなければ重いうえに熱くてグラスがつかめない。
長いスプーンで混ぜながら、泡をすくいながら、話しながら、読みながら、腰をすえてむきあうのに最適なカフェの友。

このグラスは普通の大きなグラスよりさらに大きめ。
目分量では500mlはくだらないと見たが、ケルナリンに聞いてみると、うーんとうなって「400mlくらいじゃないかな」。

チャレンジを挑んできているようなその雄大な姿に、思わず文庫本に印をつけて身体測定。結果は間口の直径が9センチ、高さ16センチ。しかし円柱の体積の計算方法がわからない。真相は闇だが、ともかく大きなグラスになみなみと注がれてくることにかわりなし。ドイツのカフェの代表格。
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by sommergarten | 2007-01-21 18:27 | essen & trinken

Kiezkantine (Prenzlauerberg) 

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「Kiez」とは「場末」、「Kantine」は「学食」と辞書にある。正確には、「kiez」には「場末(特にベルリン)」と但し書きがついている。けだるく廃れた感じがファッションであるベルリンでは、この地域一体は「Kiez」と名づけられ、カフェやクラブなどがひしめき合っている。

ぽつぽつと立ち並ぶカフェの一つのような顔をして建っているが、実は少し違う。大学のキャンパスからから遠く離れているが、ここは学食でもある。でもある、というのは学割がきくというだけで、大学生のためだけではないからだ。いうなればこの地域の人々の食堂兼カフェである。割引がきくのは学生だけでなく、社会的弱者、つまり年金生活者や、失業者、心や体に何らかの障害者を持った人たちも同じく割引料金になる。しかし割引がなくてもとても安い。
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ちなみにこのラビオリ入り野菜スープは2.5ユーロ(簡単に1ユーロを150円として約375円)。たっぷり野菜が入った手作りの味で、ボリューム満点。ビタミン補給のみかんがついてこの値段なのだ。割引価格は1.8ユーロ(約270円)。お水は無料、紅茶やちょっと変わったフルーツティーなどがたまにサモアールに準備してあり、その前に「0.5ユーロ(約75円)」とのメモがついた、見落としてしまいそうなほど小さな貯金箱がある。

半セルフサービスといえるシステムはちょっと変わっている。まずは、レジの前の列に加わり、順番を待つ間にメニューや黒板にかいてある「本日の定食」の中から何にするか決めたら、レジでお金を払う。そのレシートをもって適当な席につくと、ケルナリン(ウェイトレス)が現れてレシートを集めていき、しばらくしたらお皿と一緒に戻ってくるというシステム。サービスは早いし、雰囲気もよい。普通のカフェと何一つ変わらないように見える。昼食時はいつも満員で活気があり、相席も多い。
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久しぶりに顔を出してみると、「犬お断り」の張り紙がドアの真ん中に張ってあった。肉屋やレストランでもあるまいし、このドイツでは異例のことである(ちなみにロンドンの繁華街で「小さなこどもお断り」とドアの真ん中に書かれたしゃれたカフェやビストロを複数見かけて、そのときこどもはいなかった上にこどもは苦手であったが、なんとなく不快に感じたことを思い出した)。ドイツには犬小屋がない(見たことがない)くらい、その生活は人間と密接していて、家族同然の扱いだ。ドイツの犬はおそらく自分を人間の一員と勘違いしているだろう。日本の犬のようにだれかれかまわず吠えたり、だれかれかまわず尻尾を振って愛想を振りまいたりはしない。ドイツの犬は人見知りするこどもと一緒で、知らない人にあやされたらおびえた目で後ずさりするか、つんと無視するかである。電車の運賃は、したがって犬は子供料金である。この庶民の食堂でそんな家族同然の犬を受け入れないのであるから、勇気ある決断である。衛生上の理由だろうから、ここには徹底した管理の行き届きを感じた。
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一昔前は、このような姿だった。入り口にさりげなく掲げてあるこの写真は壁崩壊以前のもの。それからこのお店や、この組織が今に至るまでたどった歴史がメニューに事細かに書かれてある。

実は、今ここは知的障害者のための養育施設でもある。ケルナリンや厨房のスタッフが主に障害者で構成されている。個人的には2度目にここでカフェを飲んだときに、メニューより綿密に、メニューより先に書いてあるこの店の成り立ちを読んではじめて分かった。一番の特徴であるはずの、この店の要のことが蛇足になってしまうほど普通のお店、場末の人気者。
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by sommergarten | 2007-01-13 10:20 | cafe

2007年 元旦 

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新年明けましておめでとうございます。

今年の初カフェは、御節をつめながら。

旧年中は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
世界中の人々にとって幸多き年となりますよう。

気ままカフェ店主
Aya
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by sommergarten | 2007-01-06 19:52 | ごあいさつ